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2016年5月 5日 (木)

映画『恋』感想

『恋』2014年 監督:長澤雅彦  *下松市制施行75周年記念映画

●内容(""内。映画パンフレットから)

"遠くを見つめ続けるあなたに
 わたしは再び、恋をしました。

鉄道車両の溶接工で、妻に先立たれた徳田昭男。娘から見合いを勧められているが、なかなか乗り気にならない。そんな時、彼は同じ会社の食堂で働く吉野咲子に心惹かれる。昭男は通っている俳句教室に咲子を誘い、2人の距離は少しずつ縮まるが、咲子にある日、異変が起きる。…。実は、昭男、咲子、そして昭男の亡き妻には、稲穂祭の「狐の嫁入り」にまつわる共通した「秘密」があった。昭男、そして咲子の想いの行方は…。"

●出演:伊藤洋三郎、岡田奈々、元木行哉、朝倉えりか(敬称略)


 妻に先立たれながらも、娘といつもの仕事と俳句教室と、それなりにまったり人生を生きる昭男。

 そのいつもの日々に、いつもお世話になっていた食堂で働く咲子が海を見てたたずんでいる。その姿に惹かれ、話しかけると意気投合。

 俳句教室に誘い、素朴な2人はギクシャクしながらも、咲子の弟の助けもあり、距離が近づいていくが…。

 と、ここまでは、不器用で善良な昭男に、観客席から共感の嵐。

 とくに中年以降の男性方から!! 
 私の席の両隣がその殿方で、昭男が不器用に話しかけたり、うなづいたりするたび、

ぷぷー

はっはっはっはっ

と相づちをうちうち……なかなか、ふつうを自負している男性方が何に共感するのか…勉強になりました。。

 昭男と咲子2人の関係は、自分の面倒を見てくれた姉を幸せにしたいという、善良で少しおせっかいな弟の存在により、より加速して接近していくんです。

 お、不器用だけどほんわか程良いカップル誕生か!? な時。


 咲子が発病します。

 今は決して不治の病とは限らなくても、やはり病を宣告されると、病気への対処とともに、ふと、自分の人生って……という感慨が起こってくるものなのですね。

 じつはこれ、この映画の重要な部分だと思います。


 咲子は若い頃にある男性と知り合い、芸術家志望の彼はバルセロナに行ったままに。2人は一緒になる約束をしていたので、咲子はそのまま待つが…。

 咲子は、弟の世話をするために若い頃からフルタイムで働いていて、バルセロナについていくわけにはいかなかったんですね。

 そして〇年が経ち。

 彼は音信不通。

 咲子は弟のために一生懸命働き。

 働いて、働いて、彼への想いが咲子の中にとどまったまま。

 働いて、働いて…。バルセロナの彼への想いがフリーズ。。

 そしてある日、昭男に会い。

 突然の病気の宣告。


 このとき、咲子の胸の中でおそらく20数年固まり止まっていた感情、時間の流れに変化が生じたんだと思います。

   咲子の弟への想いは本物で、彼への想いも本物だけど、じつは音信不通な彼はおかしいですよね。

 この"おかしい部分"に、昭男と病気という、大きな二重のトリガーにより気づき、咲子はバルセロナに飛んだのでしょう。

 個人的に少しわかる気がします。今の自分の生活に一生懸命(特に経済を維持しなくてはという現実的なところで)だと、その他のことに意識を割く割合が、自分で思っている以上に減ってしまうんだと思います。

 それが惰性になり継続してしまったんでしょう。。


 狐の嫁入りで花嫁をした女性は幸せになれる。

 バルセロナから帰ってきた咲子は、狐の嫁入りを見学する、昭男親子の姿を少し離れたところから見守っています。

 そして一歩踏み出し…。

 ジ、エンド。


 とてもすっきりした終わり方だなぁと思いました。

 ただ、一緒に見に行ったJo.U氏は、少しでいいから2人のその後の姿を入れて欲しかった!と言ってました。

 たしかに!…と思う反面、「ここよりはじまる」みたいなエンディングはやはり見事でした。


 この映画をもう一度見るなら、このエンディングが見たいがためにもう一度…になりそうです。


 さわやかな咲子の岡田奈々さんはとてもよかったです。

 そして、自分を支えるために未だ独り身の姉の幸せを願う、お調子者の弟、吉野博史=元木行哉さんは面白すぎましたね。

 同じく独り身の父親を心配する娘陽子=朝倉えりかさんはストーリーに軽やかさを付け加えているし、

 鑑賞男性陣の共感の嵐を誘った、洋三郎さんの昭男は本当にすごいです。もう…これ以上ないくらい、世の普通男子のあり方を再現してくれたのでしょう!

DVD、売れ切れてしまったんですね。…でしょうね。。

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