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2012年10月 1日 (月)

映画『ツレがうつになりまして。』感想

『ツレがうつになりまして。』 2011年 監督:佐々部清

●内容(「キネマ旬報社」データベースより)
夫がうつ病になったことをきっかけに、これまでの自分たちを見つめ直し、成長していく夫婦の姿を描いた細川貂々の同名コミックエッセイを映画化。監督は「三本木高校、馬術部」の佐々部清。出演は「オカンの嫁入り」の宮崎あおい、「武士の家計簿」の堺雅人、「冷たい熱帯魚」の吹越満、「ハードライフ 紫の青春・恋と喧嘩と特攻服」の津田寛治。


 見始める前は、堺雅人さんと宮崎あおいさんが夫婦で、奥さんはかわいい絵をかく漫画家だし、ウツといっても面白おかしく描かれるのかな、と思ってました。

 が、見終わってから、ウツの経過が丁寧に描かれていたように見え、堺さんの演技も実際のウツの方のことをよく考えてのことらしく(パンフから)、とても好感が持てました。

 映像も美しいです。

※以下ネタバレ

 伝統的な日本家屋。そこに住む若夫婦らしいインテリア。適度にゴチャゴチャしていて、適度にかわいらしい家の中。実に清潔に飼われているイグ。

 色彩的にも目と心に優しいです。

 イグ、宮崎さんと堺さんに抱っこされていたので、二人とも爬虫類系は大丈夫だったのかなぁと心配もしてみましたが、メイキング映像を見ていると、なんという事もなさそう。

 映画始めの方で、いつも几帳面にお弁当を作るツレが、包丁を持ったまま「作れない…」というのは、ウツという病気を聞いてはいたけれど、本当にその人の人生にとっての一大事だと実感できます。


 ウツとは、「心の風邪」と言いますが、以前から「心の肺炎」くらいに言ってもいいんじゃないかと実は思っていて、今回映画を見て、やはり「風邪」は軽すぎるんじゃないかな…と。

 風邪だと、放っておいても直る事ありますし。

 将来的には、「脳伝達物質○○欠乏症」とかネーミングされた方が正しいんじゃないかとも思ったり。


 でもやはり、二人の夫婦関係はほのぼのとして、時に真剣で、直りかけたりぶり返したりするウツを受け止めながらの、ハルさんとツレの関係はいいなぁ、と正直思いました。


 それから、できればツレがウツになる前の、元気にビシバシ働いてお弁当を作っているところも見たかったかも。

 それがあると、ウツになってからの過程で、たまねぎの皮を一枚一枚むくようにゆっくりと、時には後戻りしながらゆっくりと直っていく(映画の最後でも完治していない)様子がよりよくわかった気もします。

 でも、堺雅人さんの好演はOK!


 そういえば、amazonの感想で、この例はとても運がいい、と書かれていたのを読みました。実際はもっと回復が長引いたり、残念ながら自殺の道を選んでしまったり…当事者にとってはもっともっと大変な事が多いのでしょうね。

 この映画を見て、”ツレ”は、自身も落ち込みやすかった妻ハルさんが”頑張らない”道を選択して実行して、ハルさんの両親もある程度は理解があります。

 職場では少数とはいえ、病気に理解を示してかばってくれる同僚がいる。

 これはとても大きな支えだな、と思います。

 ただ、ウツの時にはその優しい支えも、「自分はダメだ~」となる原因にもなるでしょうけどね。。

 現実の世の中ではおそらく、例えば職場で、ウツが知れたとたんに速攻首になったり、今の時代では失業保険がない人も多く、この映画のようには行かないかもしれません。

 また、妻が夫は給料を持って帰る人間と割り切っていれば、ウツになれば役立たず、ということになり、ウツであろうと尻を叩いて会社に行かせたり、又は即離婚の選択をされたり。

 両親からは「ウツ」という病気を悪質な伝染病のように思われて、親戚一同からマジで倦厭されたり…。

 孤立無援になって、経済的に破綻したり…。

 ちょっと考えただけでも、悲惨になりうる状況は容易に想像できます。


 でも、この映画ではツレを支えるハルさん、イグ(イグもツレに張り付いているだけで十分支えていましたよね)などのいい関係を見て、もし自分の周りでもこんな事があったら、こうありたい、と思えました。


 

 ハルさんの宮崎あおいさん。最近、時代劇的な映画、ドラマでもよく見ますが、現代ものもいいですね。かなり愛らしくて○です。

 堺雅人さん。独自の笑顔もいいですが、意外と目力あるんですよね。落ち込んでるツレ、でも病気を治して、いつもの自分なりに料理をしたい、掃除をしたい、仕事をしたいツレを熱演されてました。

 今度ドラマに出演してたら見てしまいますね、きっと。

 そして、津田寛治さんは、元気元気でバリバリ仕事をこなすビジネスマン。たしかに、こう理想を語る人、いますね。ほんものの津田さんはこんな感じではない気がしますが?どうでしょう。

 吹越満さんは、一瞬気付けませんでした。ツレと同じ病院に通う”仲間”として、静かにツレに寄ってくる姿が○。

 大杉蓮さんと余貴美子さんの、娘を応援しているようで、雑誌をもう一冊買うのはムダっていう…普通に家族している姿も良かったです。

 そして、かつてウツをわずらっていたという編集者の洋三郎さん。

 ドラマ『遺留捜査』での大迫力のお父さんの時とは大違い…! ソフトムードで病気克服後の穏やかな、、という感じが、映画の中でほっとできるシーンになっていて、○。

 病気の後、多忙で体力の要る漫画の編集から、自己啓発本の担当に変えてもらったという編集者さん。

 この人も、同じ職場でいい仕事に移れてよかったね、と思えます。自己啓発本を以前はあまり重視していなかったと言いますが、ウツが直ってきてから、意識が変わったんですね。

 ○5つの演技です!

 全体的に、日本映画らしい、人との対話、日常生活が静かにでも生き生きと描かれていていて、良い映画だと思いました。

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