無料ブログはココログ

« 映画『ヌードの夜~愛は惜しみなく奪う』感想 | トップページ | 土日 »

2012年5月 7日 (月)

ドラマ『聞かなかった場所』感想

テレビ東京 ドラマ『聞かなかった場所』  11/11/16

 松本清張特集、第三弾。『聞かなかった場所』。
 主演は主婦の勘!を抑えた名取裕子さん主演。


 まず、ドラマとして見て。 楽しめました。

 厚生福祉省・女性子育て・支援局次長の女性、浅井恒子=名取裕子さん。その恒子の夫、浅井英夫の突然の死。

※以下ネタバレ

 若い頃、文学賞を取った後はまったく芽の出なかった夫の生活全般を支え続けてきた恒子は、そうする事で、妻としてのほこりを持ち続けていた。

 なのに夫は、自分の知らない間に”俳句”という新たな分野に手を伸ばし(小説より俳句の方に才能があった?)、あげくに”大塚”という知らない土地に愛人までいた?

 せっかく局長のポストまで手に入れられるほど、厳しい世界で認められた恒子が、夫のこととなると冷静さを失い、愛人を詰問、殺害……そして一度転落すると、犯罪隠蔽のために嘘に嘘を重ね…まるでアリ地獄のように地の底まで引きずりこまれてしまうのだった-

 という感じのストーリー。

 まずは薬屋のくすんだ店主役の大杉漣さん。親切なようで、なんだか不気味感が出ていました。

 倒れた夫を介抱してくれた、一見親切な店主なのに、「だって、そんなの死んだ人にしかわからないでしょ?」
 安らかにあの世に旅立てたでしょう…という妻の言葉に対して。

 薬局店主の愛想がいいんだか怖いんだか判らないところが、サスペンスになっていてよかったです。


 なぜ大塚に? 今まで一度も聞いた事のない土地なのに…出不精な夫がなぜその地に…?
 黒ずくめの格好で身を隠し、何度も大塚を訪ねる恒子。愛人の存在に気付き、それは自分の元部下の女性=久保孝子だった事を知る。


 そして、後半。自分より若い愛人=久保孝子との対決。

 孝子は一見、淑女に見え、恒子と二人きりになると全然狡猾。恒子に対して、若い愛人の特権をここぞとばかりに見せつけ、完全に恒子を逆上させます。

 局長の座にまで上り詰めた(のに)恒子は、逆上! 愛人の頭をごっつんこ!


 最後に恒子は、駅前に大店舗を持った薬屋の店主に、孝子殺害を疑われるという弱みを握られた挙句に言い寄られ…店主の殺害を決意し刃物を購入…だが愛人ごっつんこ後、逃走中に姿を見られた看護師と再開する羽目になり…第2の犯行を犯さなくて済んだのね…恒子の独白…ジ・エンド。

 終わり方も、普通の2hサスペンスみたいに長々と引きずらずに、じつにすっきりと、スパッと終わらせていて、その点好感もてました。

 見終わってて、面白かったぁ、と思えるドラマでした。が!
 それにもかかわらず、突っ込みどころもあるのだ、それが。

・現実問題として:

 名取裕子さん演じる局長にまで上りつめた浅井恒子。こういう社会的地位を手に入れるような人は、かなり自制的なところもある人ではないかと思います。でないと、ここまで来られないんではないかと。

 夫が愛人と逢引、その後、心臓発作で死ぬなんて、そりゃ激怒します。でも、それでこんなに破滅への道をたどるとは…ならないではないかなぁ。

 女性だから感情的、夫の事となれば脳みそも子宮まで降りてしまいます、的な描き方でしたが、女性も十分に保守的な人種です。自分の保身を考えるし、その為なら平気で嘘もつけます。自宅の夫の書斎を自分ナイズする位、人目がない分できるかもしれませんが、こんなに外部的に破滅的には、いきなりなりません。変身も普通出来ません。

 その点が、非現実的に私の目には映りました。何十年前の、女ってどうせ感情でしかものを考えられない動物なのさ、という感性で作られたようにも感じられました。その点、残念。 →でもそれではサスペンスにならないか?

以下---
以下の解釈、感想は支離滅裂、というか、変なのでご容赦下さい^^

では---
まず---


・推理ものとして

 始めはなかなか○。自分の知らない場所で夫が急死。恒子は大塚を訪ねて、発作を起こした夫を介抱して救急車を呼んでくれた薬屋の店主にお礼を言うが、店主はなんだかちょっと変。大塚という地名も、出不精の夫の口から聞いたこともない。

 そこで……


◆妻、恒子の推理

1.夫は愛人宅から帰宅途中、倒れた。

とまず考えます。が、薬や店主の駅前大店舗へ進出という事実と、愛人宅でボヤを消すためにバケツが3つ使われた事実を考慮し、

2.夫は愛人宅で死亡。後で薬屋に運ばれた。久保の父親は大物。娘のスキャンダルは禁物。だからこそ、協力した薬屋は口止め料として、大店舗獲得。

 こう結論付けます。そして、この2の仮説を最後まで信じて行動し、ドラマはそのまま終わってしまいます。


 ……しかし! 普段、推理小説を読んでも、なかなか犯人やその動機、方法を推理できない私でも、少しは色々とドラマ途中で考えてみたのです。

 なのに! みじんも湧き出た疑問に対する回答が、ドラマ中にない!


◆視聴者ゆらの推理のいろいろ

1.店主の”安らかに死んだかなんて、本人に聞かないとわからないよ-”発言。
        ↓
の真意は? これから、まずは愛人説を覆す、恐るべき新事実が潜んでいるのではないかと推理。なんの陰謀だかはわからないけれど、そのせいで夫は死んだ? または殺された!? 店主は、その何らかの事情をうすうすと知っている? 感づいている?

2.妻の、夫はどちらの方向から歩いてきたのか? の質問に対して、介抱したという薬屋の店主はすぐには答えない。
        ↓
 なぜ店主はすぐに答えられなかったのか?

仮説1.店主は逡巡した後に、ラブホテルのある方向を指差す。それは、明らかに夫は不倫していた事を示し、妻、恒子の前ではそれを言いにくかったから。

仮説2.店主の指差した方向は出鱈目で、じつは反対の方角から歩いてきた。反対方向の意味するところを隠蔽する為。

仮説3.薬屋の前を歩いてきたこと事態が嘘。その裏には何か別の真実=大陰謀が隠れている! →これは、恒子の説2ともかぶりますが、別の陰謀がある可能性もあり!

仮説4.単に恒子をからかった。

 とまずは考え、視聴続行。

 話が進むにつれ、恒子は若い久保孝子の家を訪ね、第二の推理をするわけですが、

a.山鹿灯篭の置物を見る。それは夫の俳句にも出てきた品。

b.そして、家政婦からひそかに絨毯の焼け焦げと、バケツが3つ置いてあった事件を聞き出す。

 バケツを3つ使って火を消すという事は、2人の人間が火消しに関与していると妻は推理。山鹿灯篭は、孝子と英夫がひそかに不倫旅行に行き購入した品ではないか! ←これが恒子の推理。


 ですが、火は何らかの必要で起こされ、それを久保女史がその火をあるタイミングで消す為に、バケツを3つ予め用意しておいた。例えば、花火する時に、用心と消火のために、あらかじめバケツに水入れたの置いとく事があるでしょう? とも考えられます。

 ↑しかし、我ながら、じゃ、久保孝子は何を燃やし、なぜ絨毯を焦がしてまで何かを燃やす必要があったのか???という疑問が生じますが、それは番組最後にはわかるだろう、と視聴続行。

 物語がどんどん進むにつれ、寂れた小さい薬屋の店主が、いつのまにか駅前に大店舗を構え、そこの主人に納まっている事実が発覚!

 それは、久保孝子が、店主に弱みを握られていた為。ではその弱みとは?  孝子の父親は、いまだ政財界に影響力のある大物、大病院の理事を勤める久保清三郎。

 その娘が、妻のある男、浅井英夫と不倫。その英夫がこともあろうか孝子の家で死亡。英夫の死に場所を隠蔽する為に、店主は駆り出され、その見返りに、久保家の所有する駅前の広い土地を譲り受け、大店舗主人に大変身!


 視聴者推理的には、不倫は確信できないが(なぜ確信できないかというと、推理ものだからどんでん返しがあるかもしれないと考えてしまう為…)、何かしら孝子が店主に弱みを握られているのは事実ではないか、と思いながら視聴続行。


 恒子は、事実を知るにつれ(というか、自分の第二の推理が事実だと確信するにつれ)、冷静さを欠いていき…とうとう久保孝子を山の中に連れ出して、詰問。

 それに対して、久保孝子も大変身。妻、恒子にいかに夫の英夫が満足していなかったか、毒々しく語り、恒子をあざ笑いながら退場。


 この久保孝子の、恒子に対する侮蔑の理由は?

仮説その1.単に愛人として、妻を侮辱しただけ。

仮説その2.実は、愛人関係などという生ぬるい事実はなく、恒夫の死にはもっと巨大な陰謀が隠されていたのだが、妻恒子はそれらに気付く事もなくいることに、孝子は高笑い。


 仮説2と考えると、陰謀とは何か!?

 視聴者ゆらの期待はいやがおうにも高まり…視聴続行。


 久保孝子殺害後、恒子は病院看護師に姿を見られ、車で送られる羽目になり…その後、恒子の公演にあろうことかその看護師も出席する予定。恒子ピンチ!

 だが恒子は、その看護師を含む看護チームを地域の功労者として表彰させるように仕向け、自分はその表彰に立ち会わず、無事公演終了。

 めでたしめでたし。恒子のもとには再び平和が訪れ…るはずもなく、薬屋の店主が恒子を訪ね、恒子の行動を知っているとほのめかす…店主は、ただ恒子と食事をしたり、お酒を飲んだりしたいだけだと言うが、この場合、それは恒子に店主の愛人になれ+金をくれ、という脅し。

 店主は恒子に迫り、恒子の家を出るのだが、出たとたんになぜか真顔に戻る。


 こ、これは怪しい! 恒子に好意を寄せているかのごとくに言い寄るのはじつは口実。この店主、誰かに頼まれてこんな事をしているのでは?


 ……だとしたら…、

推理1-1.店主の裏にいるのは、恒子の秘書の男。いつも恒子がきつく当たり、そんな恒子のもとで、おとなしく従順に仕事を勤め上げる男……そんな秘書は、実は恒子を恨んでいた!

推理1-2.しかも、秘書は恒子が思っているほどバカではなく、恒子の殺人についても気付いていて、店主に金をやり脅させ、すでに一人殺している恒子は、第二の殺人を犯すのもためらわず、店主殺害!

推理1-3.恒子の第二の殺人は、秘書が真実を暴いてしまう。邪魔な恒子がいなくなり、秘書は自分がそのポストに収まるのであった。


 これらの推理が正しければ、夫の死の真相は?


 久保孝子の愛人は、浅井英夫でなく、浅井恒子の秘書の男性。久保孝子は、英夫と秘書の二股をかけていたが、孝子の本命は、秘書の方だった。

 だが、浅井英夫は秘書と孝子との間に気付き、二人を脅す。妻がこの事実を知れば、秘書は首。出世の道も絶たれる。

 孝子に未練のある英夫は、秘書との仲を裂こうとするが、反対に孝子+秘書の二人にはめられ、何らかの方法で心臓発作を誘発され死亡。

 その誘発には、カーペットの燃え後とバケツ3つが絡んでいるが…どう絡むか、思考が進まず。うーん。

 または、三角関係などではなく、もっと大きい、病院理事の久保清三郎とその周辺にまつわる巨大陰謀に浅井英夫が巻き込まれていた!?とか、そんな陰謀を希望。by視聴者○ら。

 ……………だが! 話は、表彰された看護師グループが、自分達を押してくれた局長にぜひお礼がしたい、と恒子のもとを訪れ、ジ・エンド。


 あれ? 終わっちゃった……。

 結局、物語中で、謎かけされた場面場面の内容が、私的にはまったく解決しないまま、終わってしまいました。


・浅井英夫の死の真相。→ これはそのまんまでいいのか…

・久保孝子と浅井英夫の本当の関係。→まんま、ただの愛人関係?

・薬や店主の、恒子を脅しながら、浅井邸を出た後に真顔に戻る謎。→じつは何の意味もない?え?

・久保家でのボヤと3つのバケツの謎。→ドラマ中の推理まんま?

・秘書は本当に、見かけどおりの純朴、ちょっとにぶい人物だったのか? →まんま?

・秘書は、看護師グループに、自分達を押したのは局長だと故意に教えたのか、否か。→上と同じく

 すべて真相は闇の中…、

 というか、原作はどうなのでしょう。清張ものには、社会問題を扱い、真相は闇の中、という作品もありますからね。。

 反面、不倫の果ての安易な殺人などという、単純な話もいっぱいありますからね。。

 この『聞かなかった場所』は、後者的な話にも思えますが…真相は藪の中…。というより、ただの考えすぎ?

 私の頭の中でひねりすぎただけで、実際は、ドラマで見えている通り、英夫の不倫で、英夫の死が孝子の家の中、だけですべて解決している、ジ・エンド、かもしれません。

 とすると、視聴中の推理は妄想の産物でしかなかったわけ。。。

 山鹿灯篭ももう少し話に出てきたら面白かったのに。。

 なんだか、この作品、様々に考えさせてくれるから面白かったともいえるような気がします。

 できれば、愛人問題など目ではない、『相棒』シリーズの2時間ものばりの、超、超、大陰謀ものでも面白かったのになぁ。。大物代議士、久保清三郎。その周辺でうごめく大金の流れ-とかなんとか。

 で、本コーナーの主役、洋三郎さんはというと、浅井恒子の夫、浅井英夫。冒頭、英夫のキザな写真が○。

 愛人、久保孝子との関係と死にまつわるエピソードが2つ。できれば、もっと真相のバリエーションがあって、それらのエピソードをいくつか見せて欲しかったです!

 明治の文豪張りのきざな風貌、態度、などなども。

 そういえば、英夫は小説はいまいちだったけれど、俳句は生徒の主婦達が自費出版で英夫の作品を出すくらいの腕前、という設定。

 洋三郎さんも、俳句が趣味ですよね。ひょっとして、ドラマ中の俳句は洋三郎さんが書いたなんてことは?

 この作品で、洋三郎さんは心臓発作を2度起こしていますが、二日後の浅見光彦ものでは、川の中に仰向けのまま水没殺害されてます。こっちの方が衝撃的……。耳に水入りそう…。あらら…。


 感想、ジ・エンド。

« 映画『ヌードの夜~愛は惜しみなく奪う』感想 | トップページ | 土日 »

g.洋三郎さん特集-ドラマ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ドラマ『聞かなかった場所』感想:

« 映画『ヌードの夜~愛は惜しみなく奪う』感想 | トップページ | 土日 »